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自民党内で、舛添要一・前東京都知事の辞職に伴う知事選(7月14日告示、31日投開票)の候補者として前総務次官の桜井俊氏(62)を推す声が再浮上している。手堅い行政手腕に加え、人気アイドルグループ「嵐」の桜井翔さんの父親という話題性もあり、待望論が根強いためだ。ただ、本人は固辞しており、出馬に至るかどうかは不透明だ。
自民党幹部は28日、桜井氏について、「官僚としての実務能力もあり、2020年東京五輪・パラリンピックを成功させるには適任だ」と記者団に語った。同党が今月下旬に実施した独自調査でも、都知事にふさわしい候補として桜井氏がトップを占めた。
桜井氏は旧郵政省出身。情報通信分野に明るく、NTT再編などに携わった。15年に総務次官となり、今月17日付で退任した。退任する前から出馬の可能性を取り沙汰され、15日に「出るつもりはない」と記者団に否定。28日にも周辺に、「(不出馬の意向に)全く変わりはない」と語った。だが、自民党側はあきらめていない。「今も桜井氏が最有力候補だ」(幹部)として、出馬に向けた働きかけを強めたい考えだ。
桜井氏の擁立論が再燃した背景には、自民、公明両党が支援して当選した知事が2代続けて「政治とカネ」の問題で任期途中で辞職したことがある。自民党都連幹部は「政治家出身者は多少なりともすねに傷を持っている可能性がある。官僚出身者ならば二の舞いは避けられる」と指摘する。公明党関係者も「桜井氏が出馬の意向を固めれば、公明党も支援する可能性は十分にある」と述べた。